お天気がよかったり、お天気が崩れたり。
体力が削られてる感じがして、体力がない自分にとってしんどい季節がきました。
こういうときは、ひきこもるのが一番!
こまめに昼寝をして、作業は夜にもっていくのが楽。
そこで図書館からのいくつか借りた本のなかで、久々に読み応えがあったものを紹介します。
ライファーズ 罪に向き合う
坂上香
ライファーズ 罪に向きあう 2,808円 |
アメリカの州によっては、死刑がないところもあり一生涯刑務所にいる人もいます。
日本は死刑制度があるので、死刑が極刑とされています。その是非はともかく、死刑であっても終身刑であっても囚人の罪の償いは長期間に及びます。実際のところ刑期をまっとうしたとして、外に出たとしても辛い現実が待っています。刑務所は、同じような罪を背負ったもの同士通じ合うものがありますが、外は違います。
このライファーズたちは、少し変わった更正プログラムをした施設での人達。
NPO団体アミティ、その中はある意味サンクチュアリ(聖域)。職員も、囚人も、区別はあっても差別はありません。同じ立場で語り合い、共感し、罪を根本から見つめ直すプログラムです。そして再犯率はとても低く、一定の効果があることを実証されています。
刑務所に入った人のほとんどが、家庭環境に問題を抱えています。それに男性の場合、プログラムをうけた7割近くが性被害にあっていたそうです。それがトラウマとなり、非行に走ったり、薬物に手を染めたり、暴力化し、殺人や強盗までいきます。
白人や黒人など人種は関係なく、それぞれ不遇な幼少時代が語られます。人の話を聞くことで、自分が加害者という立場であった一方、被害者の過去を思い出します。
刑務所では人間らしい生活はないとアメリカでは言われていますが、この更正施設を出た人の願いはひとつ。
人間らしく接してほしい。そして普通の生活を手に入れたいということ。
罪をおかしてしまった人は、刑務所で罪を償います。そして外に出てからも孤独で、また犯罪を繰り返すこと。社会的なつながりがまったくないのです。
わたしの体験としては、活動の一環で参加している場所で、実際刑務所に入っていた人もいました。また薬物更正施設に入っていた人ともおはなししました。みなどこか怯えた表情で、なかにはずっと謝って泣いている人もいました。
また女性は、男性のように目立った事件を起こしにくいので、もっと対応が遅れている現状があるそうです。
著者の坂上香さんは、ジャーナリスト。映画をノンフィクションでつくられています。クラウドファンディングなどで、資金を集めたりしていますが、やはりこういうドキュメンタリーは長期間の撮影になり、資金が継続的に必要になります。
女性の劇団のお話。
HIVキャリアの人。元・受刑者、元・売春婦・・・・
自分たちの過去を演劇にしています
人間とは弱いものです。
自分も環境が違えば、同じ立場になったかもしれないと思うようになりました。こんな時代だからこそ、誰もが被害者になりえるし、加害者にもなりえるのだなと。わたしは運がよかっただけなのだなと。
許しがたい犯罪はあります。ただ罪を償ってまた再犯してしまったらそれこそ、更正は無駄になってしまいます。罪は厳罰化しても、犯罪率は下がることはありません。(刑法の授業でデータが出てました)二度と同じ間違いを犯さないよう、彼らが人間として生まれ変われるように。
そのためには、どうすればいいのか?新しい枠組みで問題を考える上でとても参考になりました。いい本です。
今回のこの本はじっくり読みたかったので三日くらいかけて読みました。
映画も気になります。
ではまた次回に。