今回は今最も期待している漫画家さんをご紹介。
前回はBL漫画家さんをご紹介でしたが、今回は女性雑誌で主に描かれている方です。
お名前は穂積先生
数年前、この漫画はすごいで見事受賞されてから描く漫画どれも惹かれてしまいます。
まずは話題になった今作。
- 式の前日 (フラワーコミックス)/小学館
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式の前日。
表紙に書かれているのは姉弟です。
この話は、なんでもない。
姉が結婚する前に、弟と二人最後の食事をとるだけのシーン。
ただ何となく雰囲気が、寂しいような。切ないような。
親がいないみたいなので、お互いだけが支えだった二人の姉弟。
結婚しても関係性は変わらないはず、しかし別れのような切なさがある。
茶の間で姉が作ったお味噌汁を、二人で食べて。
もうこういうことはないんだなと考えにふける弟。
お義兄さんはいい人なんだから、きっと二人はうまくいくだろう。
長年同士であり、家族だった姉と離れる何とも言えない空間。
何だか少しだけ、誰も立ち入ることができない二人だけの時間がありました。
なんてことないことをここまで表現できる、穂積先生。
それにとても絵がお上手です。
書きなれている感じで、これは男性漫画も描ける方だと思います。
絵の線も結構太く、しかししなやか。
センスもあり、物語の構成も飽きさせない。
短編がお上手ですね。
短編で読ませられる漫画家さんは才能があります。
例えば、今でも有名な高橋るみこ先生。
らんまや犬夜叉などで長編がうまいですが、私は短編が大好きです。
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私は高橋さんの短編集は何回も読んでしまいます。
珠玉の名作ぞろいです。
穂積さんもその輝きを魅せられる時があります。
大きな期待をもっている作家さん。
他には
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これも私は面白かったです。
この話は、鬼才ゴッホ。ひわまりの作者の物語です。
去年ベルギーに行き、ゴッホが小さいころ住んでいた村を訪れました。
そこでゴッホには仲がいい兄弟がいた。
そうガイドさんが話していました。
街の美術館にはゴッホの生誕した家、そして父がいた教会。
ゴッホの亡くなった兄弟の墓。
多く残されています。
史実はではゴッホ。難しい偏屈な人物として紹介されています。
挫折だらけの人生。
理想と現実に悩み、そして精神的に追い詰められていく。
それが絵に投影されています。
写実的だった絵も、精神が不安定になるたび崩れていき。
色使いも黒く、人の顔ですら塗りつぶす奇行。
そして夜のカフェが何故が黄色く描かれる。
ゴッホはもう通常の精神状態ではなかったとされています。
最後は苦悩の果てに、耳を切りそして自殺までしてしまったゴッホ。
そんな彼をずっと支えていた弟が有名です。
弟は画商。
とても頭が切れ、腕もよかったといいます。
兄が売れない画家であったのを援助していたのも弟です。
その二人の手紙は何千通と残っているそうです。
やり取りはまさに恋人のようです。
それはゴッホの家系が兄弟は仲良くするべきだ。
そういう教えがあり、父も叔父とはとても仲が良かったそうです。
結局ゴッホが亡くなったのち、一年後弟も死んでしまいます。精神的におかしくなったそうです。
これらは史実です。
ですがこの漫画は全く違う観点で書かれています。
ゴッホは穏やかでいい人。
絵を描くのが大好き。
弟のテオは兄の才能に嫉妬します。
ですが、兄を有名にするため画商として汚いこともやりとげる愛もあります。
ただ結局事故で兄が死んだとき、テオは兄を作品として完成させるため、世間を欺くことにした。
そういう話です。
ですので史実はこの漫画は全く解釈が違います。
漫画を読んだ後に、ゴッホについてのエピソードを調べるととても面白いです。
穂積先生、実は連載が始まりました。
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まだ読めてはいませんが、もう少し冊数が出たら読みたいなと思ってます。
クオリティは毎回よいので今回も期待大です。
これから活躍される漫画家さんとして応援していきたいです。