もんでんあきこ先生のエロスの種子8巻の紹介記事です。
エロスの種子 8巻が発売しました!
エロスの種子 8 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
表紙がまたいいですよね!8巻も魅惑的美人!女性が凜として美しいのですよね。今回は強さが光る女性ですね。
1巻を気まぐれに購入して、その漫画の完成度に驚いてしまったことを強く思い出す漫画です。気がつけば、8巻。まるで文学の世界にいるようなエロスを感じながらも、どこか品のある世界観。
もんでんあきこ先生による、人間の三大欲求のひとつを官能的に描く漫画です。
もんでん先生の描く主人公たちは、男性も女性も色気があります。
少女から大人の女性へ、そして中年になる女性も素敵。
それは男性に関してもそうです。どんな男性もすごくセクシー。登場人物のかき分けもしっかりしていて、人間の美しさを感じられます。
今回は、世相を反映しているような、寂しい女性たちのお話が描かれています。
女性の美しさはあるのですが、誰もが不幸。なぜ?と思わずにいられませんでした。
ではエロスの種子7巻のあらすじをみていきましょう。
エロスの種子とは?
1巻の紹介は過去の記事へ
エロス【(ギリシャ)Erōs】
1 特定の人に対する、性愛としての愛。愛欲。
2 プラトン哲学で、真善美へのあこがれという純化された衝動。出典:デジタル大辞泉(小学館)
女性の中には、エロスの種がうずまってる……
そのエロスに惑わされ、人生を踏み外していく人間も多くいる。
女も男もエロスの前では、決して冷静になれない。
人間の醜さと、弱さと、美しさをまざまざと見せつけられるエピソードが連なっています。
1巻では、エロスの種子の根幹部分を感じられる一冊
2巻では、1巻の雰囲気を受継ぎならが時間の流れと変わらぬエロスを感じます。
3巻では、2巻で登場した人物たちのその後の未来が描かれました。
4巻では、性の多様性も含めたモダンとレトロが交差する一冊
5巻では、時流にのったエピソードと親子の因縁が描かれました。
6巻では、見事女の成り上がりが見られる一冊
7巻では、恋愛の多様性と悲哀が感じられる新しい展開でした。
では8巻ではどんなお話が展開されるでしょうか。
エロスの種子 8巻のあらすじ(ネタバレを一部含むので注意)
極北の地 稚内
防波堤の行き止まりで
その男は夜明けを待っていた
エロスの種子 7巻冒頭の一節
引きこもりの男性が海に飛び降りる
写真を撮りたい男性は、男にどいてくれないか?と声をかけると、男性は海に飛び込みました。
その若い男性は、死ぬつもりでした。ですが、死ぬ前に誰かと抱き合いたいと思い、風俗へ行きました。そこで出会った女性は、どことなく見たことがある顔だと思いました。初恋の人に似ていると写真で思いましたが、実際はふくよかな女性。
いざ、抱き合おうにも反応できず、女性と話をすることになりました。
男性は女性が稚内出身だと聞き、自分も稚内へ行くことになりました。
そして、時は戻り意識を取り戻すと、男性が看病してくれました。
海に飛び込んだ男性は死ぬことはできませんでした。
泉たろうと名乗り、年齢は23歳。病院に連れて行ってくれた夫婦は、民宿を経営していて、花守さんといいます。
一人娘は、真奈といいギャルのようなしゃべり方です。真奈がゲームをしているのをみて、たろうはレアアイテムのありかと言います。すると真奈はたろうを気に入ります。
花守夫婦にご飯をもらい、しばらくお世話になることになるたろう。たろうは、幼いころから吃音で、父親から厳しい態度をとられていました。
そんなたろうに優しくしてきれたのは、あゆみちゃんという女の子でした。そしてあゆみちゃんと一緒にいることが多くなったたろうは、キスをしますが、同級生に見つかってしまいます。
たろうの父が激怒し、母子家庭だったあゆみの家に圧力をかけ、結果あゆみは街からでていきました。
その事実をしったたろうは、怒り部屋に引きこもるようになります。
父は母をなじり、母は生活費を稼ぐために夜の仕事をします。そんなとき母が口からあわをふいて死んでいるのを発見し、驚いたたろうは逃げてしまいます。
漁港街になじむたろう
漁港街でたろうは、漁師の手伝いをします。そこで初めて給金をもらいます。
たろうは三半規管が強く船酔いはしません。向いていると言われます。
そして、スナックのそらちゃんといい関係になりました。たろうは、そのまま花守夫妻の家に帰ると、真奈に「言葉はたくさん身に着けたほうがいいと思う。でないと自分の気持ち、ちゃんと言えなくなるよ」といいます。
たろうは吃音症だったからこそ、言葉の大切さをわかっていました。
そしてニュースが流れ、札幌で女性がなくなっているという事件が報道されます。
たろうの名前は、中島泉。札幌に戻るといいます。
泉は札幌に戻ることにあります。花守さんに見送られ、花守さんも言葉が苦手でカメラをやるようになったと言われました。娘に言葉の大切さを言ってくれてありがとうと言います。
真実に近づく泉
そして泉は逮捕され、取り調べを受けます。そこに弁護士の杉村亮香があらわれます。
杉村は父に依頼をされたといいます。両親は離婚をしたはずと思っていた泉は驚きます。実は両親は離婚はせず、両親はいいビジネスパートナーだったといいます。
母は会員制クラブを経営し、父の会社の商談に使われていたというのです。
父は市議会議員だと思っていた泉でしたが、いつのまにか経営者になっていたことに驚きます。議員時代のコネをつかい、今は建設会社の重役にいるということです。
泉の思っていた事実と違いました。
そして不起訴処分になった泉は、父が迎えにきてくれ、よく部屋からでてきたと言われます。まずは学力を取り戻すことを言われ、泉は大学へ行くことになります。
そして風俗街へいくと、あゆみちゃんににたあの子はいなくなっていました。
なりあがる泉
身なりを整え新しいマンションに越した泉。杉村とは一度体の関係をむすびます。
泉は父の足をすくってやりたい気持ち、杉村は杉村の父の死の真相を知りたいということから契約を結びます。
杉村の父は、泉の父の私設秘書でした。ですが、杉村が高校三年生のとき自殺してしまったのです。そこで泉の父の不祥事を苦に死んだのではないか?という噂を耳にしてしまいました。
ですが、杉村が大学へ行けたのも、司法試験に合格できたのも泉の父の援助のおかげでした。
それから、泉は大学へ行き、就職もうまくできました。5年の歳月がすぎます。
泉は父に書斎のカギがほしいといいますが、かわりにバイクをもらいます。
バイクにのるためトレーニングをして、泉はモテるようになったのです。
いろんな女性と関係をもちましたが、杉村と関係をもったことが忘れられません。
泉は円山ホールディングスに勤め、そこで同級生に再会します。
その男は、あゆみがスキャンダルのために泉に近づいたといいます。あゆみの母がとんでもない男と付き合い、あゆみも売春していたというのです。
そんなことをきいた泉は、男を殴ってしまいます。そして内定が取り消しになりました。
実際、男の話は事実ではあったと父に言われます。あゆみたちが稚内へ行ったという証言もあり、やはり風俗街でであった女性は、あゆみだったのではないか?と泉は思うのです。
内定がなくなった泉のことを、痛快だと笑った父。ずっと引きこもっていた息子が、実力をつけて、成長したことをうれしく思ったといいます。そして父から書斎のカギをもらいます。
父たちの真実
父の書斎のパソコンをひらいた杉村と泉。そこには、杉村父と、泉父の出会いがかかれていました。杉村父と泉父はお互いひかれあっていたことが書かれ、密かな関係だったといいます。
それを泉の祖父に見つかった泉の父は、やっと自分が同じように息子を否定していたことに気が付くのです。
そして杉村父は、泉父のキャリアを傷つくのをおそれ自殺したといいます。そして父は実家と手をきり、政治家をやめ民間会社に就職し、ひきこもりの泉を守ろうと思ったといいます。
真実をしったふたりは、人を好きになっただけで死なないといけない現実にショックをうけます。あらためて抱き合う泉と杉村ですが、契約上の関係。付き合うことなどできませんでした。
杉村父の墓参りをする二人、そこに泉の父も来ます。両親に愛されていたことをわかった泉は、生きようと誓います。そして迷惑をかけた父に謝罪をしました。
泉と杉村は別れ、バイクにのっていた泉は鹿に激突します。
新しい旅立ち
目を覚ますと病院でした。
スナックのママのそらさんが現れ、そらさんがあゆみのところへ連れていきます。
やはり風俗街でだった女性は、あゆみでした。あゆみは病気を患っています。
そらさんとあゆみは同性のパートナーです。そしてあゆむは翌月眠るようになくなります。
泉の父は新しく経営コンサルタントとして、ワイナリーで働いています。漁港で働きだした泉は、花守夫妻の娘・真奈と再会します。
漁港の事務方で働く真奈ですが、泉のおかげで語彙力がふえ、いいたいことがいえるようになったと感謝されます。そんな真奈に涙する泉。
そして、泉と真奈はいつしか付き合い、結婚することになりました。
さらに子どももでき、花守夫妻は大喜び!稚内の防波堤にたたずむいずみは、その海にとびこんで人生がかわったことを、いつか子どもにしようと思います。
エロスの種子 8巻 感想
エロスの種子8巻のあらすじをみてきました。
7巻もそうでしたが、一冊でまるまる完結している読み応えばっちりな満足な一冊でした。今回の主人公は、引きこもりの男性でしたね。
まさか、殺人をしてしまったのか?!!と思いましたが、事故であり、それからどんどん成りあがっていくのは痛快でしたね。
ですが、恨んでいた父も実は息子を愛していて、自分の殻をやぶったからこそ、成長できたのだなと思います。
また、初恋の人との再会もありましたが、悲恋、そしてまた悲恋を重ね、どんどん大人になっていったなと思います。
いろんな経験をして、人は強くなっていく。つらいことも、悲しいことも、終わりよければそれも思い出になっていく。
ということで、やはり後味がいいエロスの種子ワールドでした。
今回も、同性パートナーがでてきたりと、多様性を意識された力作だなと思います。
いろんな人のエロスがあり、そして優しく包み込むような寛容さがある作品だなと思いました。
強くてきれいな女を書くのがとにかくうまいもんでんさん。
次回はどんな女性がでてくるのか、楽しみです。
少し大人な表現の漫画も読む!だけれど手元に残しておくのは恥ずかしい…などいろいろあいますよね。そんなときは電子書籍が楽です。
前に買っておいた漫画も、見返すのも簡単です。発売期間があくと忘れてしまうことも多々あり、漫画がどこにあるかわからない!というときもあります。
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まとめ
エロスの種子8巻のあらすじと感想をまとめてみました。
今回も満足感がいっぱいで、読んでよかった!とおもった一冊です。
一冊がどれもよみごたえがあり、どことなくノスタルジックな雰囲気があって、またそれがいいと思います。
今後ももんでん先生を応援していきたいです。
前巻7巻はこちら
ではまた次回に。
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また、もんでんあきこ先生が描く男女は色気がすごい!
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どれも面白いです。質の高い漫画を読みたいならもんでん先生のすべての作品がおすすめですね。
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