もんでんあきこ先生のエロスの種子5巻の紹介記事です。
エロスの種子 5巻が発売しました!
5巻の表紙がまたいいですよね!目がいい!美しい!
1巻を気まぐれに購入して、その漫画の完成度に驚いてしまったことを強く思い出す漫画です。気がつけば、5巻。まるで文学の世界にいるようなエロスを感じながらも、どこか品のある世界観。
もんでんあきこ先生による、人間の三大欲求のひとつを官能的に描く漫画です。
もんでん先生の描く主人公たちは、男性も女性も色気があります。
少女から大人の女性へ、そして中年になる女性も素敵。
それは男性に関してもそうです。どんな男性もすごくセクシー。登場人物のかき分けもしっかりしていて、人間の美しさを感じられます。
今回は、世相を反映しているような、寂しい女性たちのお話が描かれています。
女性の美しさはあるのですが、誰もが不幸。なぜ?と思わずにいられませんでした。
ではエロスの種子5巻のあらすじをみていきましょう。
エロスの種子とは?
1巻の紹介は過去の記事へ
エロスの種子 6巻はこちら
エロス【(ギリシャ)Erōs】
1 特定の人に対する、性愛としての愛。愛欲。
2 プラトン哲学で、真善美へのあこがれという純化された衝動。出典:デジタル大辞泉(小学館)
女性の中には、エロスの種がうずまってる……
そのエロスに惑わされ、人生を踏み外していく人間も多くいる。
女も男もエロスの前では、決して冷静になれない。
人間の醜さと、弱さと、美しさをまざまざと見せつけられるエピソードが連なっています。
1巻では、エロスの種子の根幹部分を感じられる一冊
2巻では、1巻の雰囲気を受継ぎならが時間の流れと変わらぬエロスを感じます。
3巻では、2巻で登場した人物たちのその後の未来が描かれました。
4巻では、性の多様性も含めたモダンとレトロが交差する一冊
では5巻ではどんなお話が展開されるでしょうか。
エロスの種子 5巻のあらすじ(ネタバレを一部含むので注意)
冬虫夏草 ヒナ
幼虫に寄生し、菌糸を張り、その養分で育つという生物がいる
この女のエロスはそういう性質のものだった
エロスの種子 5巻 冒頭
惹かれるのはいつも妻帯者である、ホステスのヒナ。
今回の男も妻とはうまくいっていないといい、妻は怒らせると面倒なのだといいます。
男と一緒にいるだけでいい、しかし妻から別れてくれというメッセージが。着信拒否をしてもメッセージが止まりません。妻は夫にDVをします。傷を処置するヒナ。
男が浮気するたびにそうなるといいますが、そうすると女は離れていくそう。しかしヒナはわくわくするといいます。
ヒナの初めての男は、義父。男は犯罪だ!といいます。でも嫌ではなかったとヒナは言います。
父はそれがばれ、刑務所にいます。母にばれて、母が怒り狂ったのをみてざまあと思ったと笑うのです。ママに捨てられた男にはもう興味がないといいます。
そして事件がおき、ヒナは妻に刺されます。ですが一命をとりとめ、妻は起訴。男は離婚をしますが、ヒナはもう男には興味がありません。
ヒナの興味は、病院の医師。花を咲かせようと男からの賛辞を求め、栄養をもとめる生物になるのです。
ヒナと医師
ヒナを好きになったといい、クラブをやめた竜。ヒナとは体だけの割り切った関係を続けています。
ヒナは病院の医師と関係をもちますが、男は行為中ほかの女の名前を呼びます。渋谷は既婚者だから近づいてきたヒナに勘づいていました。
一方、竜はバンドのメジャーデビューが決まりました。竜を好きになれば、幸せになれるとわかっているヒナ。しかし母の顔が浮かびます。母の怒った顔、義父を誘ったといいます。
渋谷は妻を5年前に亡くしています。今でも妻を愛しています。ヒナはいつでも死んでいいという表情が気になっていたというのです。渋谷の愛をしり、ヒナは自分もだれかにそういうふうに愛されたいと涙がでてくるのです。
竜は事務所からヒナを切るように言われました。周辺にトラブルを起こす女の存在が邪魔だというのです。ヒナが仕事をやめ、浮気をしないなら全力で守ると言われますが、無理でしょうと言われます。
ヒナは飢餓状態になります。
寄生する恋の結末
コロナウィルスでメジャーデビューが流れた竜。そして自粛期間中、動画サイトで励ます曲を作りバズります。しかしアンチも増えました。
そこにいつも味方になってくれるユーザーがいました。ユーザーの名前は、冬虫夏草。
ヒナでした。
ヒナに会いにいく竜ですが、ヒナはコロナの感染のおそれがあり、熱があります。ですが、竜は部屋に押しかけます。ご飯をつくり看病する竜。結局ヒナは完全復活し、竜も無症状でした。
ヒナに一目ぼれした竜ですが、理由はちゃんとしている子だから。親から大切に育てられたのだなと思ったといいます。
ヒナは義父との関係を告白し、いやだったけれど言えなかったと泣きます。母のこともざまあと思わなければ、自分がかわいそうになってしまう。それが耐えられなかったと。
ヒナは職場に復帰し、竜もバンドのメンバーとともにメジャーデビューの話が再浮上します。ヒナを彼女とメンバーには紹介し、新しい絆の存在を感じました。
オリンピックでの恋慕
昭和39年、東京で開催されたオリンピック。
美冬と四宮がお見合いをします。しかし美冬には好きな人がいました。泣いた美冬に一目ぼれした四宮。柔道をしていますが、けがでだめになり、公務員になりました。
美冬の男は、悪い男でした。四宮は男を殺してしまいました。
四宮は美冬をいつまでも待つといいました。そして結婚し、無理に彼女と関係をもちます。
美冬は外にでかけ、男とホテルへ行っています。そして四宮は男を殺します。罪を重ねていくのです。そしてあるとき、手練れの男に遭遇しますが、男は刑事でした。
頼んだのは美冬。美冬は好きだった男を殺した四宮に気が付き、独自で調べていました。三人殺せば死刑。美冬は狙っていたのです。
四宮には後悔はありません。美冬のおかげで、生と死の極みを感じることができたのですから。
ガンを患った律子
ガンを患った律子、男にも家族との縁もうすく、がんでベッドに横たわっています。司法書士として働き、仕事を最優先に生きていました。
大学時代にであったチャラい男との間に子供ができ、学生結婚。夫のDVで離婚。
母にも冷たくされ、働くしかなかった律子。子どもは母に任せ資格をとります。
しかし就職したら父と母が亡くなります。
子どもの名前はヒナ。育児と仕事で疲れていて、優しく声をかけてきたバイトの男にほだされてしまいました。男はロリコンでした。
男はヒナに手をだしていました。そして警察を呼び逮捕。
しかし怒りが我慢できず、ヒナにひどいことを言ってしまう律子。そして心を閉ざしたヒナは、高校卒業と同時にいなくなり、8年がたちました。
病院に、ヒナと竜がきます。結婚することになったふたり。しかし律子はひどい言葉を吐きそうになります。
母にやさしく抱きしめてほしかった。ですが、ヒナばかり抱きしめてもらい、ヒナばかりなぜ?と思っていた子供の自分。抱きしめてあげればよかったと、自分の弱い部分を受け入れたのです。
竜に頭を下げる律子。コロナがあけ、病が治ったらヒナを抱きしめようと思うのです。
エロスの種子 5巻 感想
エロスの種子5巻を読み終わり、思わず力が抜けました。それだけ真剣に読みふけってしまったのです。
どれも起承転結がしっかりして、作品は骨太であるのですが、絵の線が柔らかいので読みやすい作風です。
人間の感情をうまく表現されていて、男のいやらしさ、女のあざとさとか…もうすばらしいとしか言えません。一冊でここまで満足できる作品はなかなかないと思います。
どの巻もすばらしいですが、ドラマをみているような展開です。
一話一話、すべてが力作で、読み終わるのはあっというまですが、時間が濃密だった気がするのです。
とにかく読んでほしい、とそれだけが感想ですね。時流にのった展開ですし、今だからできる話もあるのだなと思いました。すばらしかったです。
エロスの種子を好きな人にオススメしたい作品
官能先生
作家先生と女性との恋。漫画が好きな人には話題になっている作品。
アウターゾーン
昔の作品ですが、オカルト漫画っぽくて雰囲気が素敵。
一話完結なのがエロスの種子に似ていて、読み応えがあります。
人間のエゴだったり情念を感じられる漫画です。
八月薫先生の作品
アマゾンキンドルで立ち読みをしてから、この先生の作品はおもしろい!と思いました。ほぼピンク漫画なのですが、レトロな風合いで、大人が読む春画漫画みたいな感じなんです。暗くもないし、気を楽にして読める作品ですね。
男性向けだと思います。
ほかにも、風俗関係の漫画やラノベが最近人気がある気がしてます。
女性の念みたいなものを感じる漫画がじわじわきてますね。
少し大人な表現の漫画も読む!だけれど手元に残しておくのは恥ずかしい…などいろいろあいますよね。そんなときは電子書籍が楽です。
前に買っておいた漫画も、見返すのも簡単です。発売期間があくと忘れてしまうことも多々あり、漫画がどこにあるかわからない!というときもあります。
一巻は試し読みできる電子書籍サイトが多いため、実際に読んでみると作品のよさがわかります。
エロスの種子/ebookでpaypayやTポイントが使えるたまる
エロスの種子/コミックシーモアでポイント還元やキャンペーンにお得に購入!
エロスの種子/Renta!で試し読みして暇つぶし!少額から買える
まとめ
エロスの種子5巻のあらすじと感想をまとめてみました。
質のいい作品は?と言ったら迷わずあげたい作品のひとつですね。
あまり漫画を読まない人にもぜひ読んでほしいです。
表紙やタイトルから避けてしまうのはもったいない!作品の質としても大変おすすめできる作品です。今度も追いかけていこうと思います。
ではまた次回に。
次巻のエロスの種子6巻はこちら
エロスの種子7巻はこちら
もんでんあきこ先生の他作品もおすすめ
「ブルース」
もんでんあきこ(原作・桜木紫乃「ブルース」文藝春秋刊)
舞台は北海道、釧路。
下町に生まれ育った謎多き男・影山博人と、
彼に惹き寄せられた
8人の女の物語りーーーーー
原作はこちら
掲載誌 グランドジャンプめちゃ公式HPはこちらから
また、もんでんあきこ先生が描く男女は色気がすごい!
伝説のAV男優の加藤鷹さんのストーリーは読みごたえがありました。
ほかにも男女の雰囲気のある恋愛がよみたいならこちらもおすすめ
どれも面白いです。質の高い漫画を読みたいならもんでん先生のすべての作品がおすすめですね。
女と男の情念の描いた古典文芸がコミカライズ化
大正殉愛 金魚撩乱もおすすめです。
情念といえばホラー 愛さえ感じるホラーも好きです。
女と男の危険な恋愛!来世は他人がいいも意外にどろどろしています。