- 黄金コンビが描く不思議な関係 吸血鬼と愉快な仲間たち 羅川真里茂・漫画/木原音瀬・原作
黄金コンビが描く不思議な関係 吸血鬼と愉快な仲間たち 羅川真里茂・漫画/木原音瀬・原作
年始年末にBLが再燃してしまい、細々と過去の名作や人気作を購入しています。
今回紹介したいのは、「吸血鬼と愉快な仲間たち」です。
原作はBL小説界でのレジェンド・木原音瀬先生。そして一般マンガも名作を持ちながらも、BLマンガもかく羅川真里茂先生が作画担当です。
いつもまわっているブログさまや、数々のBLレビューサイトでも大人気!さらには電子書籍ランキングでも、新刊がでるたびに既刊もランクイン。
現在、少年漫画では「鬼滅の刃」が世間で話題になっています。まさに、その作品のように新刊が発売のたびにすべての既刊本がランクインします。
この作品は、実力派の先生たちが全力でBLを描いているのですが、それほどBL描写がきつくないため、ライトBLなら読めるという人にもおすすめしたいです。(このコミックの分類は少女漫画です。)
アニメ化も十分狙えるほどの比較的一般向け王道の出来栄えであり、キャラクターも個性があります。
ライトBLだったら読めるという人にこちらの作品もおすすめします。
三作品すべてドラマ化されています。
ただし、癖が強いBLがいい!激しいBLがいいという人には物足りないかもしれません。
内容重視の人がいいと思います。
吸血鬼と愉快な仲間たち とは?
吸血鬼になってしまった、アメリカ人の男性が日本にやってくることから始まります。
中途半端に吸血鬼になってしまったため、吸血行為ができないので、血をもらうことでしか生きられません。
アルベルト・アーヴィングは売れない俳優でした。ちょっとした遊びであそんだ女の子は吸血鬼。
吸血鬼になり、親や友人にも気味悪がられひとりで生きるしかありませんでした。
日本で出会った男性は、ミステリアス。表情も少なく、ぶっきらぼうです。
彼は、特殊な仕事をしていました。それは死体を再生手術をするエンバーマーでした。
エンバーマーとは?
エンバーマーとは、エンバーミングをする人のことを指します。エンバーミングとは、薬品などを使い、遺体に防腐処置を行い、遺体の状態のまま保存することをいいます。日本では遺体衛生保全とも言われています
彼は人間とは距離を置きたがります。しかし吸血鬼なら…?
周囲の不思議な現象も解決したりと、次第に相棒として息のあった行動を見せる二人。
そして少しずつラブも芽生えてきて?
という内容です。
吸血鬼と愉快な仲間たち 1-5巻セット (Holly NOVELS)
小説もあります。
コミックは新刊の4巻が発売されたばかりです。
では、もっと詳しく内容を深堀していきましょう。
吸血鬼と愉快な仲間たち 1巻 あらすじ(一部ネタバレがありますので注意!)
吸血鬼と愉快な仲間たち 1 (花とゆめコミックススペシャル)
アメリカで暮らしていた吸血鬼・アル。なぜか冷凍蝙蝠になってしまい、目覚めた場所は、なんと日本!!!彼が出逢ったのは、血の匂いをまとった謎の男で……!?
運命の出会いの巻。周囲はアルが吸血鬼だと信じてはくれません。しかし、刑事が蝙蝠の同情して友人の家へ。そしてアルは吸血鬼だと正体を信じてもらおうと奮闘します。
そして、高塚暁の家に居候することになります。高塚はエンバーマー。血の匂いがします。二週間以内に身の振り方を決めろ!と言われ、職を探すアル。
しかし、昼間は蝙蝠の姿になってしまいます。食事は生肉を食べるか、血をもらうなめること。日本語も満足に話すことができません。
そうしていると、アルは夜中に連続殺人犯に暴行をされてしまいます。
吸血鬼と愉快な仲間たち 2巻 あらすじ
昼は人間・夜は蝙蝠という不完全な吸血鬼・アルと、無愛想なエンバーマー・暁との奇妙な共同生活が始まった。少しずつ近づく二人の距離…そこに連続殺人事件が――!?
あまりの重症のアルに、暁は血を差し出します。はじめての生き血。思いっきり吸血してしまい、暁は倒れてしまいます。
8年前、アルは女の子と遊びそして吸血鬼になりそこねました。そして家族や友人からも死んだものとして認識されたのに、生き返ります。そしてアルは化け物扱いされました。
アルは仕事を探していましたが、暁の仕事を手伝うことになりました。血への欲求から倒れこむアルですが、エンバーマーの仕事を知り、そして死体の血をわけてもらうことになりました。
仕事場では蝙蝠としてアイドルあつかいされ、みなにかわいがられるアル。連続殺人犯の捜査にも協力します。ですが、殺人犯にみつかりむごい拷問をされ、殺されかけます。
暁の血により脅威の回復力でもとにもどり、犯人は逮捕されました。
吸血鬼と愉快な仲間たち 3巻 あらすじ
淋しがり屋の吸血鬼・アルと、無愛想なエンバーマー・暁の共同生活――。平和な日々の中、暁に好意を抱いた後輩男子が…!? 原作小説1冊分を収録した3・4巻同時発売!!木原先生ショート小説も収録!
エンバーマーの職場も季節がかわり、別れと出会いがあります。
アルは夜の仕事のアルバイトを続けています。あるとき、高塚の同僚の津野がアルにモデルの仕事を頼みます。
ですが、暁は大反対!暁の友人で刑事のヌカリヤに相談します。
そして、職場には新人の室井が配属されてきました。室井は暁のことを同性として好意をもっていました。
高塚に室井は告白しますが、あっさりふられます。生ものには一切欲情しない不感症だからと言い放つのです。
あるとき、秘密でモデルの仕事をしていたことを暁にばれてしまいました。言い争いをしていて、うっかりアルは暁の腰にのっかり腰をいためてしまった暁。室井が見舞いにきて、暁の過去を知りたがります。
暁は、両親が死に親戚から施設へ。そして奨学金で高校へ通い、卒業と同時にアメリカに行きエンバーマーの資格をとりました。
暁がたくさんの愛をもらえなかったことを知ったアルは、自分が愛をあげようと思います。
暁のふるい友人の強引な誘いで、テレビ局へ行くことになった暁とアル。アルは俳優と間違われてしまい、吸血鬼の役でドラマにでることになります。
吸血鬼と愉快な仲間たち 4巻 あらすじ
暁への愛を伝えたいのにうまく言えないアルと、暁への好意をぶつける室井――。 揺れる気持ちを抱えつつ、アルはドラマに出演することになるが…!? 原作小説1冊分を収録した3・4巻同時発売!!木原先生ショート小説も収録!
深夜ドラマが放送され、暁から条件つきで出演を許可されるアル。室井はあいかわらず、暁に思いを寄せますが、暁はきっぱりと断ります。
アルは同性愛ではないのですが、暁を友人として愛しています。ですから、暁のそばにいたいという気持ちを言いますが、なかなか理解されません。
ある時、ドラマの現場で事件がおこります。主演の女優が転落死したのでした。
アルはナーバスになります。自分の命は永遠のもの。
暁の血をたくさん飲めば、仲間にできるかもしれないという悪い気持ちもよぎるのです。ですが、そんなつらい運命を彼に背負わすことなどできはしません。
女優の優香は妊娠していました。遺体の損傷がはげしかったため、エンバーミングをする暁。優香を殺したマネージャーにアルは殺されかけます。
そんな彼を抱いて帰る暁。
マネージャーは婚約者を優香にとられた腹いせでした。アルの記憶により、優香のスマホが決め手になって逮捕されたマネージャー。
一方、室井の母親が交通事故で死んでしまう出来事が。室井の母親をエンバーミングする暁。それに感謝をする室井でした。
そしてアルは、ずっと暁と一緒にいたいと告白します。暁と一緒にいられるなら、恋人としてでもなんでも構わない!あいを誓うというのです。死ぬまでずっと一緒にいたいと。
吸血鬼と愉快な仲間たち 感想
4巻まで一心不乱に読んでしまいました。最初は、一巻だけ購入したのですが…読んだら止まりません。
久しぶりに熱中して読んだマンガだと思います。これはおすすめされるだけあって素晴らしい作品です。BLマンガっぽく4巻ではなりましたが、ふたりが近づいていく過程も丁寧に描かれているのがいいですね。
また暁とアルの関係性も唯一無二ですし、アルもかわいいのにかっこいい!暁もクールなのに綺麗!とギャップがあるのがいいです。
ふたりの前には、吸血鬼と人間以外にもたくさんのハードルがあります。いったいどんな未来がふたりには待ち受けているのだろうか。と不安にはなっているのですが、BLだからそれほど悲しいことにならないだろうという願う気持ちです。
ですが、木原先生の作品は心情をえぐるようなつらい展開もあるのでどうなるのかな?という不安半分、それでも絶対いい作品であるという安心感もあります。
次巻ももちろん購入決定!楽しみにしています。
吸血鬼と愉快な仲間たちを好きな人へ!羅川先生と木原先生のおすすめ作品
吸血鬼と愉快な仲間たちが好きな人に、羅川真里茂先生と木原音瀬先生のおすすめ作品を紹介します。
羅川真里茂先生のおすすめ作品(1)ニューヨーク・ニューヨーク
BLの枠にいれていいのか迷いますが、BL色のある物語です。
舞台はニューヨーク。ふたりのゲイの男性が、一生を誓い合い添い遂げるお話です。
単なるBLだけでなく、性的なマイノリティだからこそ抱える葛藤や悩みがリアルです。
名作中の名作と思っています。
羅川真里茂先生のおすすめ作品(2)赤ちゃんと僕
アニメ化もした大人気作品。一般マンガです。お母さんがあるとき死んでしまい、残された男三人。
シングルファザーになったパパ。主人公はまだ小学生。弟はまだ言葉もしゃべれない赤ちゃんです。
突然かわってしまった環境に、それぞれが奮闘し、成長していくお話。お母さんがいないことの不安や悲しみ。弟の成長を感じ、家族で喜ぶ姿は実にリアルです。
羅川真里茂先生のおすすめ作品(3)ましろのおと
現在連載中の作品。こちらも一般マンガです。
津軽三味線をもって都会にでてきた少年が、様々な人に出会い成長していく青春マンガです。
三味線はもちろん、音楽に対しての熱い思いもかかれていて、音楽が好きなひとならはまれる物語でしょう。
木原音瀬先生のおすすめ作品(1)箱の中
木原先生といえば、この作品なのかなと思ってます。木原先生の痛い系の小説はBL界では大人気で大勢のファンがいます。
その真骨頂なのがこの作品だと思います。発売当時、各方面で話題になり、この作品をおすすめする人が多くいたのを思い出します。切なくて痛いです!
木原音瀬先生のおすすめ作品(2)COLD SLEEP シリーズ
「COLD SLEEP」「COLD LIGT」「COLD FEVER」で完結です。
これを当時読んだときは、まさかの展開にびっくりしました。賛否両論ある結末ではあるのですが、これぞ木原先生なのでは?と思いました。
2巻まではよかったのに!?3巻目でどんでん返し!
痛いのですが、やっぱり癖になるお話。このモヤモヤしたものこそ、木原ワールドなのではと思います。
コミック版もあります。
木原音瀬先生のおすすめ作品(3)WEEDシリーズ
「WEED」「FLOWER」「POLLINATION」の三作品があります。
これも相当痛いお話です。とくに「FLOWER」はバッドエンドなので、心して読んだほうがいいと思います。
こちらも賛否両論ある物語ですが、最初読んだときにいろんな意味で衝撃を受けました。
わたしは日頃はハッピーエンド至上主義なのですが、木原先生の作品は痛くて中毒性があるのです。
不思議な魅力です。
まとめ
BL界での大御所がタッグを組んだコミック「吸血鬼と愉快な仲間たち」のご紹介でした。
羅川先生のイラストのタッチがやわらかく、優しい雰囲気の作品です。ですが、木原先生の精神的痛さもやはりあり、ちょうどいい雰囲気になっていると思います。
現在もコミックは続いていますので、次の巻が待ち遠しいです。
最近はBL小説は勢いがなくなっている印象ですので、過去の作品を掘り返しつつ、名作をもう一度読むのもいいかなと思いました。
BL小説なら凪良ゆう先生や榎田尤利先生が好きです。どちらの先生も、一般小説をかき人気を集めています。
凪良ゆう先生の特にお気に入り作品 美しい彼シリーズ
榎田尤利先生のお気に入り 交渉人シリーズとnezシリーズ
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2022年7月読んだBL読み放題作品はこちら
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TSUTAYAでのレンタルマンガもお得でいいです。
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